サブスクリプションー有名企業がこぞって採用しているビジネスモデル【subscribed】
Vol.5
Subscribed
Why the Subscription Model Will Be Your Company’s Future―and What to Do About It
著者:Tien Tzuo
目次
1.この書籍をピックアップした理由
2.本書籍を通じてビジネスパーソンが得られるであろう示唆
3.サブスクリプションモデルの特徴
4.サブスクリプションモデルの収益の仕組み
5.ケーススタディー
6.参考書籍
1.この書籍をピックアップした理由
・背景として、所有(モノ売り)から利用(サービス提供)への価値観の変化を背景にサブスクリプションが脚光を浴びている。
・有名企業である、Salesforce.comやNetflix Inc等も利用しているサブスクリプションは在宅ワークが広がる現代社会においても有用な知見であるといえる。この書籍は多くの企業がどのようにサブスクリプションを採用しているのかについての導入本という位置づけになるだろう。この本を通じて、ビジネスにおける新たな可能性を垣間見ることができるから皆さんに是非ともおススメの一冊として紹介したい。
2.本書籍を通じてビジネスパーソンが得られるであろう示唆
・サブスクリプションとは、顧客がサービスにSubscribeする(申し込む)ビジネスのことである。企業の視点からいえば顧客を理解し、顧客が何に価値を感じるのかを把握した上で継続的にサービスを提供することを意味する。
・サブスクリプションは単なる定額課金サービスではない。顧客と接点を持ち、データ分析に基づいて継続的にサービスを改善し、顧客の指示を継続するものである。
・サブスクリプションは安定収入になり、収益貢献度も高いことから今後もアメリカ企業を中心にサブスクリプションが加速していくだろう。
・本書籍の中で、第一章の中の’’The New Business Model’’の箇所が肝である。この部分で、企業が顧客を様々な視点で深くケアしていく新しいビジネスモデルが提示されている。他方の顧客もサービスに満足して契約を続けてお金を払っているのが理解できる 。
・これまでサブスクリプションモデルが存在しなかった業界に、ビジネスモデルが転用されることで新しい事業機会が創出されてきている
・サブスクの提供価値は一義的には「コスト」「エクスペリエンス」になるが、「ネットワーク」までを見据えたビジネスモデルの広がりを描くかがポイントになる
・顧客との関係性を継続的にデザインしていくため、市場の反応を見ながら、 柔軟にサービスを変化し続けることが重要となる
3.サブスクリプションモデルの特徴
- サブスクライバー(契約者)中心
- デジタルチャネル/サービスを通して 顧客と直接繋がる
- 顧客と継続的な関係を構築することで、変化し続けるニーズに対し、永遠のβ版を提供し続ける
- 長く使い続けてもらうことでLTVを最大化・収益化
4.サブスクリプションの収益の仕組み
従来のプロダクト販売モデル=価格×売上数
サブスクモデル=価格×契約数×契約期間
つまりは、未来志向の投資が可能となるビジネスモデルとなる。
5.ケーススタディー
<NetFlix>
・同社の契約数は既に1億人を超えて拡大
・顧客のニーズをデータで直接的に理解でき、かつ継続課金で安定的なキャッシュフローが得られれば、将来の予測に基づき、独自番組制作への巨額投資に踏み切っている
6.参考書籍
書籍名 | 著者 |
Tien Tzuo | |
Customer Success: How Innovative Companies Are Reducing Churn and Growing Recurring Revenue |
ダン・スタインマン、ニック・メータ、リンカーン・マーフィー |
ニック・メータ (著),ダン・スタインマン (著),リンカーン・マーフィー (著),バーチャレクス・コンサルティング株式会社 (訳) | |
Daniel Priestley | |
Oversubscribed: How to Get People Lining Up to Do Business with You (English Edition) |
Daniel Priestley |
日経クロストレンド | |
佐川隼人 | |
西井 敏恭 | |
荻島 浩司 | |
小宮紳一 | |
アン・H・ジャンザー 訳者 小巻靖子 | |
宮崎琢磨, 藤田健治, 小澤秀治 |
お金よりも時間を大切にするべき本当の理由【Time Smart - How to Reclaim Your Time and Live a Happier Life】
Vol.4 Time Smart - How to Reclaim Your Time and Live a Happier Life
著者:Ashley Whillans
Time Smart: How to Reclaim Your Time and Live a Happier Life (English Edition)
- 作者:Whillans, Ashley
- 発売日: 2020/10/06
- メディア: Kindle版
<目次>
1.日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
2. 書籍の内容の紹介
3.参考文献
1. 日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
私たちの多くは、日々時間が足りないように感じている。つまりは、やるべきことが多すぎて、それらを消化するのに十分な時間がないように感じている。なぜ私たちはこんなにも時間がないように感じるのか。働く時間が増えているとか娯楽の時間が増えているからというわけではない。寧ろ、テクノロジーの革新により娯楽の時間は増えているように思う。そうではなく、時間の欠乏を引き起こす要因は他にあり、テクノロジー、富、経済的不安、そして私たちが「お金を時間よりも重視する」といったことが挙げられる。本書によれば、より多くのお金を稼ぐ人は、より時間に迫られていると感じると記載されている。つまりは、時間当たりの所得が多ければ多いほど、その時間をより価値のあるものとみなして、一瞬一瞬のも質が強く惜しまれるというわけである。
不幸せな気持ちを減らすための核となる課題は、金銭的な問題ではなく、心理的な問題である。私たちは時間ではなく、お金が私たちにさらなる幸福をもたらすと誤解しているのである。
2.書籍の内容の紹介
「時間をお金で買うことがよいのではないか」という提案が本書の主な提案である。 「時間の購入」は当たり前のように感じるかもしれないが、 Ashley先生によれば、ほとんどの人は時間を節約するためにお金を使用しないという。本書では、幸せになるための様々な時間に関する節約術が紹介されている。時間貧乏で困っている等、思い当たるフシのある方には、特に効果が高い書籍である。
3.参考文献
書籍名 | 著者 |
Time Smart: How to Reclaim Your Time and Live a Happier Life (English Edition) |
Ashley Whillans |
マイケル・ヘッペル,服部真琴 | |
井ノ上陽一 | |
ジョシュ・デイヴィス | |
谷本有香 | |
S.ムッライナタン、E.シャフィール/著 | |
アーノルド・ベネット |
#Ashley Whillans
#Time Smart
#お金よりも時間を大切にするべき本当の理由
アメリカの選挙活動の産業化 - 【The POLITICS INDUSTRY】
Vol.3 THE POLITICS INDUSTRY
How Politics Innovation Can Break Partisan Gridlock and Save Our Democracy
著者:
-
Katherine M. Gehl
-
Michael E. Porter
- Vol.3 THE POLITICS INDUSTRY
- How Politics Innovation Can Break Partisan Gridlock and Save Our Democracy
- 著者:
- Katherine M. Gehl
- Michael E. Porter
-
日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
本書籍は、アメリカの政治システムの真のダイナミクスと深刻な課題に目を向けて、全ての人の利益のためにシステムを再構築しようと試みた強力且つ実用的なソリューションを提供する書籍である。アメリカの選挙活動を分析してみることは、ビジネスにとっても非常に学びになるから読者のみなさんにとって価値のあるコンテンツになるだろう。なぜならトランプ大統領の当選の裏側では貧しい労働者階級の白人層を中心とした支持を勝ち取ったということが確認されており、特にトランプ陣営の巧妙なマーケティング手法を駆使した点で支持者を増やしていったと言われている。要は、選挙活動を分析してみるとビジネス上の色々な駆け引きが浮かび上がってくるのである。ちなみにデジタルを含むマーケティング戦略を選挙で駆使する候補者はトランプ大統領に限ったことではない。アメリカの選挙活動を取り巻く周辺には色々なステークホルダーが渦を巻いている。本書籍は、両著者の高度な分析からアメリカの選挙活動を取り巻く、色々な示唆を学ぶことができて濃厚な一冊である。是非、私がお勧めしたい一冊である。私だけではなく、すでにアメリカの政治(ロムニー氏)や経営(スターバックスの名誉会長)の有識者たちが本書籍を支持している。
A noted business leader joins America's preeminent business strategist to diagnose what ails our political system and prescribe a cure. Timely indeed." — US Senator Mitt Romney (R-Utah)
"A revealing perspective on why our $16 billion political industry is failing the American people. The proposed solutions reflect the heart of the American ethos—innovation, determination, courage, and the will to reinvent the status quo."
— Howard Schultz, Chairman Emeritus, Starbucks
2. アメリカの選挙活動の産業化
まず、当たり前であるがアメリカの政治システムは、アメリカの憲法に由来した原則と公平な規則によって構成されている。しかしながらも、実際は、民主党と共和党の複占が続き、民間企業のような「競争状態」となっている。選挙システムは各サイクルにおいて、指数関数的に選挙費用が増加していった。政治システムは大きなビジネスとなったのである。
悲劇的なことに、政治システムがある特定の産業に変容したことで、機能不全になってしまい、ひいてはアメリカの主要な経済的及び社会的課題へのソリューションを提供することができなくなってしまったのである。両「社」の支配する不健全な競争にアメリカ市民が悩まされている。また、この複占が今日の壊滅的な結果に繋がっていった。
3. 本書の構成
- Part1: Chapter 1-3
政治産業の競争を5W1Hのフレームワークを用いて分析している。
- Part2: Chapter 4-6
この章は「政治のイノベーション」にフォーカスした議論が繰り広げられている。具体的なメソドロジーとしては、アメリカの歴史研究や理論からひも解くアプローチをとっている。
書籍全体として、他の全ての競争産業と同じように政治システムがどのように機能するかを示している。
戦略の本質である、「やるべきこと、やるべきでないことの線引き」の必要性を説明している。例えば、今後、「政治システムを変革しようとしている」とした場合に、お金の役割、選挙システムそれ自体、立法上の問題、競争、それぞれについて検討している。
4. ファイブフォース分析を用いたアメリカの政治産業の競争の構図
本書では、2人の著者が明確にそして緻密に、政治×経営の視点でアメリカの選挙活動を分析している。特に著者の一人は、世界の戦略研究者の軍師であり、ハーバード大学ビジネススクールの教授であるポーター教授であった。もう一人は起業家で著名Katherin氏が共著である。
2人の著者は異なったアプローチを本書の中でとっている。ポーター教授は、特に「ファイブフォース分析」を用いてアメリカの選挙活動を分析している。ファイブフォース分析とは、業界の収益性を決める5つの競争要因から、業界の構造分析を行う手法である」
具体的に、本書では「政治産業の競争」の構図は以下のように記されている。日本語で再現してみると以下のようになる。
5. 参考文献
書籍名 | 著者 |
Katherine M. Gehlと Michael E. Porter | |
明治大学リバティブックス | |
ミッシェル・オバマ | |
大柴ひさみ | |
Michael E. Porter | |
Chasing The American Dream: An Immigrant's Journey (Destiny Moment Sequel) |
|
楠木 建 | |
Michael E. Porter | |
デイビット・メイヒュー |
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これからの時代に選ばれる働き方 ―― リモートワーク【REMOTE WORK】
Vol.2 REMOTE WORK
著者:QM Publishing
Remote Work: The First Step to Running Your Own Business (English Edition)
- 作者:Publishing, QM
- 発売日: 2019/04/28
- メディア: Kindle版
- 日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
- これからの時代に選ばれる働き方 ―― リモートワーク
- ‘’ REMOTE WORK ’’ VS ‘’ REMOTE FIRST’’ --- 類似本’’ REMOTE FIRST’’との違い
- 参考文献
-
日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
本書によれば、2025年から働く環境が大きく変わると記載があるが、実際は、働き方改革の動きや新型コロナウィルス感染症(COVID19)の状況下である現代社会において直近で多くの方々の働く環境は変化した。間違いなく、リモートワークの働き方はこれからの時代で必須の知見になってくるだろう。
しかしながらも大多数の企業においては2020年4月25日現在において、リモートワークを本格導入してからまだ1か月程度くらいではなかろうか。その中では、すでにリモートワークに順応しつつあるビジネスパーソンとそうでないビジネスパーソンの差が目に見えて生じつつあるのが日本社会の昨今の状況だろう。これは、私は単に技術面(テクノロジー)の習熟度の差だけではないと思料する。
本書籍によれば、リモートワークでは、具体的には、タイム・マネジメントスキル、コミュニケーションスキル、アントレプレナーシップが必要なスキルとなっている。逆にこのスキルがなければリモートワーク社会においては淘汰されてしまうビジネスパーソンになってしまう日が来ると言っても過言ではない。そんなリモートワーク環境での仕事の仕方やマインドの持ち方がわかるのが今回ご紹介する「REMOTE WORK」という書籍である。この書籍や私のブログを通じて、「リモート映えする人」を目指していければと思う。
2.これからの時代に選ばれる働き方 ― リモートワーク
近年はテクノロジーが発展していることもあり、色々なオンラインツールがある。色々な人と容易に連絡を取り合うことで、リモートワークを通じてチームワークを高めることができる。オンライン会議では、会議の参加メンバー全員で意見を交換できるからみんなの色々な新しいアイディアに繋がるだろう。この書籍では、「みんなが会議中に発言するように配慮するべきことやオンライン会議中であってもボディランゲージを交える」等の様々な工夫が書かれている。
加えて、本書籍によれば、「リモートワークとアントレプレナーシップは深い関係がある」ということがメインメッセージとして書かれている。リモートワークを通じてビジネスパーソンは収入を増やす機会がある。本書籍によれば、オフィスワーカーよりもリモートワーカーの方が自己研鑽を頑張っているというデータがあるようだ。これは、普通の会社員であれば、多くの会社での義務を、リモートワークに移行することで、減らすことができるため、その余分な時間を自己研鑽に当てられるからであろう。会社では上司があなたの時間を管理するが、自宅においてはあなた自身が自分自身で時間を管理しなければならない。会社で管理された従業員として働くことはあなたの人生は部分的に会社にコントロールされた人生になってしまうだろう。まさに、リモートワークは未来から選ばれる働き方といえるだろう。
3. ’’REMOTE WORK ’’ VS ‘’ REMOTE FIRST’’ -- 類似本’’ REMOTE FIRST’’との違い
Remote First: A Manager's Guide to Building Remote Culture
- 作者:Watkins, Constance
- 発売日: 2019/02/17
- メディア: ペーパーバック
実は‘’ REMOTE WORK ’’の類似本として、’’ REMOTE FIRST’’という書籍がある。本章ではこの違いについて触れておくこととする。
結論から言って、‘’ REMOTE WORK ’’はリモートワークとアントレプレナーシップの深い関係について強調しているのに対して、’’ REMOTE FIRST’’はリモートワークでのHowの部分に焦点を当てて実用的なアドバイスを紹介している書籍である。
例えば、以下のことが’’ REMOTE FIRST’’の書籍中で挙げられている。
- チャットツールでの投稿は、必要最低限にした場合と、直接関係ないことを投稿した場合とでどちらが望ましいのか?
- 文字で伝えにくい時に伝えるべきツールは何か?
- オンライン会議で、開始前に回線を繋ぐとどうなるのか?
- あなたのチームメンバーと一緒にどのように仕事の透明性を確保していくべきか?
上記の通りHowの部分に力点が置かれた書籍といえるのでこのブログをご覧になっている方々は優秀なビジネスパーソンの方々だから方法論というよりかはアントレプレナーシップの部分に力点が置かれている‘’ REMOTE WORK ’’の方が興味のある内容になるかと思う。
4. 参考文献
書籍名 | 著者 |
Remote Work: The First Step to Running Your Own Business (English Edition) |
QM Publishing |
Constance・Watkins | |
倉貫義人 | |
青野慶久 | |
石塚由紀夫 | |
小室淑恵 | |
木村聡子 | |
ジェイソン・フリード とデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン | |
伊藤真 と野田稔 | |
エリック・シュミット | |
エド・キャットムル | |
倉貫義人 |
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デザイナーが書いたMBA本とは? -- 絵を見てすぐわかるMBAのエッセンス【The Visual MBA】
Vol 1. The Visual MBA: Two Years of Business School Packed into One Priceless Book of Pure Awesomeness
著者:Jason Baron
The Visual MBA: A Quick Guide to Everything You’ll Learn in Two Years of Business School
- 作者:Barron, Jason
- 発売日: 2019/05/02
- メディア: ペーパーバック
<目次>
1.
日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
実際にMBAを取得していなくとも本書でのMBAの凝縮されたエッセンスを通して、あなたが好きなキャリアを築くためにどんな「アプローチ」が必要なのかがわかる。私としては事細かなMBA「理論」ではなく、考え方としてのMBAの「思考」をビジネスパーソンが身に着けることが大切であると思料する。著者のスケッチを通じて短期間で問題解決思考を手に入れることができる。私も仕事の必要な知見として改めて本書を読み直してみる予定である。
2.
【デザイナーが書いたMBA本とは? -- 絵を見てすぐわかるMBAのエッセンス】
私はこの本を開いて驚愕した。
なぜなら、今までの既存の日本のMBAの書籍とは全然違った書籍の作りだったからである。日本のMBAの書籍はまず書籍のページを開くと言葉がぎっしりと詰められていて、活字からMBAのエッセンスを学ぶスタイルの書籍が中心だからである。だから皆さんも感じている通り、MBAを既に取得している人、グローバルコンサルティングファームやバンキング(投資銀行)で、ある一定程度以上の経験を積んできた人でもない限り、なかなか書籍の内容が頭に入ってこないだろう。しかしながらも「The Visual MBA」に関しては、書籍自体がそこまで厚くなく、愛らしいビジュアルで書かれているから「広義のビジネスリーダー達」が好奇心を持って楽しみながら理解することができる一冊となっている。文字数に関しても決して多くない。これは著者がそれぞれの授業の概念をスケッチに凝縮しているからだ。本書のスタイルとしてはケース・スタディーが随所に散りばめられており、まるでMBAの授業を受けているような感覚になると思う。
日本の書籍と違うのは本の内容だけじゃない。一番は、著作家が「デザイナー」であり「プロダクト・マネージャー」という点だろう。
皆さんもお分かりだろうけど、米国はじめ世界のトップスクールでMBAを取得するには一般的に莫大なお金と時間が必要とされるのである。そこで著者は抜本的な解決策としてイラストを通してMBAのコンセプトをわかりやすく説いているのだ。専門家によれば、人間はテキストのみで学ぶ人よりもビジュアルから学んだ人は65%も早く脳に情報が入ってくるということが言われている。だから頭に書籍の内容が入ってきやすい。
私自身は戦略系のコンサルティングを生業にしているが、MBAの資格は持っていなく、その代わりにMBA関係の国内外の書籍をメジャーなものは全て読んで独学でスキルを身に着けてきたタイプで、今までに相当適度に膨大な学習時間を費やしてきた。もともと法学部出身でファイナンスの話とかは特に難しかった。
実際に世界のトップビジネススクールでMBAの学位を取った方々はもっと大変なのは言うまでもなく、著者もMarriott School of Businessでそれぞれの授業に約516時間も費やしたという。だから著者はそれぞれの授業ごとにノートとして絵を描いた(スケッチした)。教育のポイントをスケッチしたのである。本書はまさにビジネススクールの授業のスケッチから生まれた本である。
3. 書籍の内容の紹介 -- 1章と2章
第1章の「リーダーシップ」と第2章の「コーポレート・ファイナンス」について少々紹介しよう。
- リーダーシップ
リーダーシップを形成している5つの要素について著者はスケッチを通じて「構造化」して説明している。
【リーダーシップの5つの要素】
各人がその人を見たときに、上記の5つの要素の中でどれをブランド(定義としては、ブランドとは特定の組織体及び商品・サービス等を他と差別化するためのあらゆる手段))として見ているのか?
つまりは、あなたを形成しているリーダーシップのブランドは何だろうか。具体的に探ってみる上での方法として以下が本書の中で紹介されている。
- あなたが12か月間の間に成し遂げたいことは何だろうか?
- 認識している6つの知りたいことを探る
- 次に6つの定義を3つや2つに分けて統合する
- あなたのリーダーシップ・ブランドを書いて定義する。加えて、テストする。
- あなたのブランド(として認識していること)を他者に共有する。加えて、あなたの振る舞いはそのブランド(の範疇)にどのように依拠するのかを検証する。そして、真のブランドとなるように調整していく。
7つの観点から初対面の印象を確認するポイントとして以下のポイントが紹介されている。
- 顔の表情
- 立ち振る舞い
- 笑顔
- アイコンタクト
- 眉毛の感じ
- 握手
- お辞儀
ビジネスで成功したければ、、、
- Competency(能力)
- Opportunity(機会)
- Passion(情熱)
この3つのスイート・スポットに当てなければボールが飛んでいかない(ビジネスで成功しない)。これは日本でもHarvard Business SchoolでMBAを取得された戸塚隆将氏が述べていた(戸塚氏の場合はCompetencyではなくCapabilityの単語を使用)。
- コーポレート・ファイナンス
会計はビジネスの共通言語である。
この章では3つのファイナンシャル・ステートメントについて描かれている。
この3つの概念についてビジネス・ケースを用いて本書では説明している。しかしながらも、私は第2章に関しては会計のある程度の知識がないと理解するのに難しいかもしれないと分析。
第1章と第2章の掴みを説明してきたが、第10章「ストラテジー」のスケッチが特にわかりやすかった。
4.参考文献
書籍名 | 著者 |
The Visual MBA: A Quick Guide to Everything You’ll Learn in Two Years of Business School |
Jason Baron |
グロービス | |
グロービス | |
グロービス、嶋田 毅 | |
グロービス、嶋田 毅 | |
グロービス | |
グロービス、嶋田 毅 |
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