【坂口惣亮と海外ベストセラー書籍を読む】日本人向けの海外最新ビジネス書籍レビュー/Reviews of the latest business books from overseas with Sosuke Sakaguchi for Japanese business people.

日本で翻訳されていない海外のビジネス書籍を坂口惣亮が厳選して日本のビジネスパーソン向けに書籍の実用性や洞察についてコンサルタントの視点からレビューしたブログ/The blog is among the first to look to introduce the latest overseas business books that have not yet been translated into Japanese from English to the Japanese business world

デザイナーが書いたMBA本とは? -- 絵を見てすぐわかるMBAのエッセンス【The Visual MBA】

The Visual MBA: A Quick Guide to Everything You’ll Learn in Two Years of Business School

Vol 1. The Visual MBA: Two Years of Business School Packed into One Priceless Book of Pure Awesomeness 

著者:Jason Baron

The Visual MBA: A Quick Guide to Everything You’ll Learn in Two Years of Business School
 

 

<目次> 

  1.  日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆
  2. デザイナーが書いたMBA本とは? -- 絵を見てすぐわかるMBAのエッセンス
  3. 書籍の内容の紹介 -- 1章と2章
  4. 参考文献

 

 

 

1.

日本のビジネスパーソンが本書籍を通じて得られるであろう示唆

 

実際にMBAを取得していなくとも本書でのMBAの凝縮されたエッセンスを通して、あなたが好きなキャリアを築くためにどんな「アプローチ」が必要なのかがわかる。私としては事細かなMBA「理論」ではなく、考え方としてのMBAの「思考」をビジネスパーソンが身に着けることが大切であると思料する。著者のスケッチを通じて短期間で問題解決思考を手に入れることができる。私も仕事の必要な知見として改めて本書を読み直してみる予定である。

 

 

2.

【デザイナーが書いたMBA本とは? -- 絵を見てすぐわかるMBAのエッセンス】

 

私はこの本を開いて驚愕した。

なぜなら、今までの既存の日本のMBAの書籍とは全然違った書籍の作りだったからである。日本のMBAの書籍はまず書籍のページを開くと言葉がぎっしりと詰められていて、活字からMBAのエッセンスを学ぶスタイルの書籍が中心だからである。だから皆さんも感じている通り、MBAを既に取得している人、グローバルコンサルティングファームやバンキング(投資銀行)で、ある一定程度以上の経験を積んできた人でもない限り、なかなか書籍の内容が頭に入ってこないだろう。しかしながらも「The Visual MBA」に関しては、書籍自体がそこまで厚くなく、愛らしいビジュアルで書かれているから「広義のビジネスリーダー達」が好奇心を持って楽しみながら理解することができる一冊となっている。文字数に関しても決して多くない。これは著者がそれぞれの授業の概念をスケッチに凝縮しているからだ。本書のスタイルとしてはケース・スタディーが随所に散りばめられており、まるでMBAの授業を受けているような感覚になると思う。

 

日本の書籍と違うのは本の内容だけじゃない。一番は、著作家が「デザイナー」であり「プロダクト・マネージャー」という点だろう。

 

皆さんもお分かりだろうけど、米国はじめ世界のトップスクールでMBAを取得するには一般的に莫大なお金と時間が必要とされるのである。そこで著者は抜本的な解決策としてイラストを通してMBAのコンセプトをわかりやすく説いているのだ。専門家によれば、人間はテキストのみで学ぶ人よりもビジュアルから学んだ人は65%も早く脳に情報が入ってくるということが言われている。だから頭に書籍の内容が入ってきやすい。

 

私自身は戦略系のコンサルティングを生業にしているが、MBAの資格は持っていなく、その代わりにMBA関係の国内外の書籍をメジャーなものは全て読んで独学でスキルを身に着けてきたタイプで、今までに相当適度に膨大な学習時間を費やしてきた。もともと法学部出身でファイナンスの話とかは特に難しかった。

 

実際に世界のトップビジネススクールMBAの学位を取った方々はもっと大変なのは言うまでもなく、著者もMarriott School of Businessでそれぞれの授業に約516時間も費やしたという。だから著者はそれぞれの授業ごとにノートとして絵を描いた(スケッチした)。教育のポイントをスケッチしたのである。本書はまさにビジネススクールの授業のスケッチから生まれた本である。

 

 

3. 書籍の内容の紹介 -- 1章と2章

 

第1章の「リーダーシップ」と第2章の「コーポレート・ファイナンス」について少々紹介しよう。

 

  • リーダーシップ

 

 

リーダーシップを形成している5つの要素について著者はスケッチを通じて「構造化」して説明している。

 

【リーダーシップの5つの要素】

  1. ストラテジー
  2. エグゼキューション(実行)
  3. タレント・マネジメント
  4. タレント・ディビロップメント
  5. ケイパビリティー

 

各人がその人を見たときに、上記の5つの要素の中でどれをブランド(定義としては、ブランドとは特定の組織体及び商品・サービス等を他と差別化するためのあらゆる手段))として見ているのか?

つまりは、あなたを形成しているリーダーシップのブランドは何だろうか。具体的に探ってみる上での方法として以下が本書の中で紹介されている。

 

  1. あなたが12か月間の間に成し遂げたいことは何だろうか?
  2. 認識している6つの知りたいことを探る
  3. 次に6つの定義を3つや2つに分けて統合する
  4. あなたのリーダーシップ・ブランドを書いて定義する。加えて、テストする。
  5. あなたのブランド(として認識していること)を他者に共有する。加えて、あなたの振る舞いはそのブランド(の範疇)にどのように依拠するのかを検証する。そして、真のブランドとなるように調整していく。

 

7つの観点から初対面の印象を確認するポイントとして以下のポイントが紹介されている。

 

  1. 顔の表情
  2. 立ち振る舞い
  3. 笑顔
  4. アイコンタクト
  5. 眉毛の感じ
  6. 握手
  7. お辞儀

 

ビジネスで成功したければ、、、

  1. Competency(能力)
  2. Opportunity(機会)
  3. Passion(情熱)

 

この3つのスイート・スポットに当てなければボールが飛んでいかない(ビジネスで成功しない)。これは日本でもHarvard Business SchoolでMBAを取得された戸塚隆将氏が述べていた(戸塚氏の場合はCompetencyではなくCapabilityの単語を使用)。

 

 

 

 

会計はビジネスの共通言語である。

この章では3つのファイナンシャル・ステートメントについて描かれている。

 

  1. 損益計算書
  2. 貸借対照表(バランスシート)
  3. キャッシュ・フロー計算書

 

この3つの概念についてビジネス・ケースを用いて本書では説明している。しかしながらも、私は第2章に関しては会計のある程度の知識がないと理解するのに難しいかもしれないと分析。

 

第1章と第2章の掴みを説明してきたが、第10章「ストラテジー」のスケッチが特にわかりやすかった。

 

4.参考文献

 

書籍名 著者

The Visual MBA: A Quick Guide to Everything You’ll Learn in Two Years of Business School

Jason Baron

MBA100の基本

グロービス

MBA 問題解決100の基本

グロービス

MBA生産性をあげる100の基本

グロービス、嶋田 毅

テクノベートMBA 基本キーワード70

グロービス、嶋田 毅

MBA 心理戦術101 なぜ「できる人」の言うことを聞いてしまうのか (文春e-book)

グロービス

ダークサイドオブMBAコンセプト

グロービス、嶋田 毅

 

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